ILLITの音楽性とは?ジャンル・歌声・楽曲の特徴を徹底解説

ILLITの音楽性とは?ジャンル・歌声・楽曲の特徴を徹底解説
ILLITの音楽性は、軽やかな歌声と耳に残る電子音、日常の小さな感情を結び付けるポップな表現にあります。デビュー曲「Magnetic」の弾むリズムを入口にすると、落ち着いた歌や日本語の楽曲にも共通する、親しみやすさと遊び心が見えてきます。一方で、作品を重ねるにつれて歌い方やサウンドの選択肢が増え、かわいらしい印象だけでは説明できない幅も生まれています。この記事では、ジャンル、5人の声の使い方、歌詞、制作陣、ライブでの表現を具体的な楽曲とともに解説します。代表曲をすでに知っている人も、初めて聴く人も、音の重なりや言葉の選び方に注目することで、ILLITの作品をより立体的に楽しめるでしょう。
ILLITはどんな音楽を届けるアーティスト?
ILLITは、YUNAH、MINJU、MOKA、WONHEE、IROHAの5人からなる、BELIFT LAB所属のガールグループです。2024年3月にミニアルバム『SUPER REAL ME』でデビューしました。音楽の中心にあるのは、心の中で膨らむ想像や、好きな相手を意識した瞬間の感情を、短く覚えやすいフレーズと軽快なリズムで伝える表現です。歌の主人公は、いつも自信に満ちているわけではありません。相手に近づきたいのに落ち着かなかったり、自分でも気持ちを整理できなかったりします。その揺れを深刻な物語にまとめず、少し不思議でユーモラスな音楽に変えるところが、作品を理解する手掛かりになります。たとえば「Magnetic」では、好きな相手に引き寄せられる感覚を磁力になぞらえます。身近な現象と恋愛感情を結び付けることで、複雑な説明を聞かなくても歌の状況が浮かびます。同じアルバムに収録された「My World」は、自分の世界へ聴き手を招き入れる入口として機能します。作品全体を通すと、恋愛の場面だけでなく、本人たちの好奇心や想像力も音楽の題材になっていると分かります。
音の印象を支えているのは、歌声と伴奏の距離の近さです。重い楽器を絶えず鳴らして押し切るよりも、声、リズム、短い電子音を組み合わせ、それぞれが聞こえる場所を作っています。ささやくような導入から弾むサビへ進む場面では、大声でなくても気分が切り替わります。また、短い言葉を反復する部分は、意味だけでなく響きそのものが音楽になります。韓国語、英語、日本語の表現が使われているため、言葉をすべて理解する前に、発音のリズムから曲に入ることもできます。ただし、ILLITの楽曲をすべて同じ軽快な曲として捉えると、収録曲の違いを見落としてしまいます。「Midnight Fiction」には夜の空想に浸る穏やかさがあり、「Pimple」では思い通りにならない気持ちを柔らかく歌います。速い曲と落ち着いた曲を並べて聴くと、共通しているのはテンポの速さではなく、感情を近い距離で語りかける姿勢だと捉えられます。初めて聴く場合は、表題曲で印象をつかんでからアルバムの収録曲へ進むと、音楽の幅を理解しやすいでしょう。
ILLITの音楽ジャンルとサウンドの特徴
ILLITの音楽はダンスポップを大きな軸にしていますが、作品ごとにリズムや音の質感を変えています。ジャンル名だけを覚えるより、どの音が体を動かす役割を担い、どの音が曲の雰囲気を作っているかを聴くと特徴が分かります。「Magnetic」では、細かく弾む電子音と低音が組み合わさり、その上を軽い歌声が進みます。高い音のきらめきだけでなく、足元を支える低音があるため、柔らかな印象と踊りやすさが両立します。歌の切れ目にも短い音が入り、空白までリズムの一部として感じられる構成です。サビの反復に注目すると、長い旋律を伸びやかに歌う場面とは違い、声も打楽器のように刻まれていることが分かります。「Tick-Tack」は、ゲームやおもちゃを連想させる電子音が目立つ曲です。細かい音の動きと繰り返す発音がかみ合い、頭の中が忙しく動くような感覚を作ります。同じ電子音中心の曲でも、「Magnetic」の滑らかな流れとは異なる、せわしなさやいたずらっぽさを楽しめます。
一方、「NOT CUTE ANYMORE」はレゲエのリズムを取り入れたポップソングです。音数を抑えた伴奏に、会話に近い声を合わせることで、軽快でも落ち着いた雰囲気を作っています。ここでは、音を次々に足して盛り上げるより、反復するフレーズを同じ調子で届けることが曲の個性になります。楽器が少ない部分では、言葉の置き方や声のわずかな変化にも耳が向きます。こうした曲を知ると、ILLITの音楽が速くてきらきらしたサウンドだけで成立しているわけではないと分かります。また、日本語曲「Almond Chocolate」では、甘い感情を伝えるメロディーと華やかな響きが前に出ます。電子音の短い反復を楽しむ曲と、歌の流れに身を任せる曲では、聴きどころが異なります。これらの違いを聴き分けるには、まず伴奏だけに意識を向け、低音、拍を刻む音、背景を満たす音を順に追うとよいでしょう。その後で歌を重ねて聴くと、声が伴奏を押して進む場面と、伴奏の隙間に収まる場面が分かります。ILLITは、ポップスとしての覚えやすさを保ちながら、音の密度とリズムの手触りを変えることで、曲ごとの性格を作っています。
ILLITの歌声・歌唱スタイルの特徴
ILLITの歌声を聴く際は、高い音を出せるかどうかだけでなく、語尾、息の使い方、言葉を置くタイミングに注目すると違いが分かります。楽曲によって軽い発声や話すような歌い方が選ばれ、強く張り上げる表現を常に中心にしているわけではありません。短いパートを交代で歌う場面では、声が替わること自体が曲の展開になります。全員の声を同じものとして聴くより、誰の声から誰の声へ移るかを追うと、短い曲の中にも細かな起伏が見えてきます。MINJUは、デビュー作の「My World」と「Magnetic」で導入部分を担当しています。本人は録音時にプロデューサーから細かな表現を学び、それまでの歌い方に固執せず、異なるスタイルを試したと話しています。最初の数秒で曲の空気を作る役割は、声量だけでは成立しません。言葉の入り方やフレーズの終わり方によって、次の音を待たせる必要があります。この発言からも、録音では個人の得意な歌い方と楽曲に必要な表現をすり合わせていることが分かります。
YUNAHはデビュー当時、明るい声を出すために笑顔や頬の上げ方を意識したと語っています。表情は映像上の見せ方に加え、歌の印象を作るためにも使われています。MOKAも、担当部分で落ち着いた雰囲気を作り、その後への期待をつなぐことに取り組んでいました。こうした具体例を見ると、メンバーの特徴を一つの声質だけで固定するより、曲の中で何を担っているかを確認するほうが理解しやすくなります。WONHEEは「Almond Chocolate」などで、音を伸ばす場面の歌唱にも注目できます。短く刻むフレーズと、長い息でつなぐ旋律を比べると、同じ声でも表現の焦点が変わります。IROHAは「IYKYK」のラップ部分についても紹介しており、旋律を歌う場面とは異なる言葉の運びを聴けます。5人の歌を楽しむ際には、音源の声の重なりにも耳を向けてみてください。一人ずつ歌う部分と複数の声が重なる部分では、同じ旋律でも厚みや距離感が異なります。録音作品とライブ映像では伴奏や振り付けの条件も変わるため、一つの映像だけで歌唱全体を判断するより、異なる形式で同じ曲を聴くと、それぞれが選んだ表現を捉えやすくなります。
ILLITの歌詞に見られる特徴や世界観
ILLITの歌詞には、自分の気持ちを見つめる視点と、相手との距離を測ろうとする視点があります。中心になるのは、恋愛を大きな結末から語る物語より、好きだと気付いた直後や、返事を待っている間の細かな感情です。気持ちがはっきりしていても、行動まで迷いなく決まるとは限りません。そのずれを身近な物や状況に置き換えることで、聴き手が自分の経験と重ねられる歌になっています。「Pimple」は、その特徴が分かる一曲です。意識しないようにしても気になってしまう相手を、肌にできた小さな存在になぞらえています。恋愛を美しい言葉だけで飾らず、日常の少し困る感覚から表現している点が特徴です。穏やかな曲調と合わせて聴くと、気持ちを制御できないもどかしさが、激しい悲しみよりも独り言に近いものとして伝わります。「Midnight Fiction」では、夜に広がる想像が題材になります。現実の出来事だけでなく、頭の中で生まれる場面も歌の世界に含めることで、日常から空想へ自然に移れるのです。
2025年のミニアルバム『bomb』では、相手との関わりが始まった後の感情へと視野が広がります。「Billyeoon Goyangi(Do the Dance)」は、初めてのデートで思うように振る舞えない状況を扱っています。韓国語の題名にある、借りてきた猫を思わせる居心地の悪さが、緊張する主人公の姿につながります。その場を何とか動かそうとする気持ちが、踊るという行動に結び付く構成です。また、「jellyous」は嫉妬、「oops!」は友人に秘密を打ち明ける場面を取り上げ、恋愛以外の対人関係も含めて感情を描きます。作品を横断すると、好きという言葉だけでは収まらない感覚を探していると読み取れます。「NOT CUTE ANYMORE」や「NOT ME」では、他人から一つの印象で決め付けられることへの距離の取り方が前面に出ます。ここでも、自分を大きく見せるための宣言だけではなく、好みや呼ばれ方など具体的な要素が人物像を作ります。甘い恋愛の歌と自己表現の歌は別々に見えても、自分の感覚を他人任せにしないという点でつながっています。歌詞を読むときは、主人公が何を感じたかに加え、その感情をどんな身近なものに置き換えたかを見ると、ILLITの遊び心を味わえるでしょう。
ILLITの楽曲制作やサウンドを支える人物
ILLITの楽曲は、プロデューサー、作詞家、作曲家、録音を担当するスタッフなど、複数の作り手によって形になっています。メンバー全員がすべての曲を自作していると捉えるのではなく、曲ごとのクレジットと本人たちの制作への関わりを分けて見ることが大切です。たとえば「Magnetic」では、Slow Rabbit、「hitman」bang、martinがプロデューサーとして名を連ねています。制作クレジットには、salem ileseやdankeなども参加しています。完成した一曲には、旋律や言葉を考える作業に加え、どの音を使い、どの声をどこへ配置するかという判断が含まれます。聴き手には自然につながって聞こえる短いフレーズも、歌い方と伴奏の細かな組み合わせによって成立しています。ILLITの場合、声の軽さを損なわずに踊れる音を作ることが、制作上の重要な聴きどころです。制作陣の名前を覚えることは、その曲と別の作品との共通点や違いを探す入口にもなります。ただし、参加者が同じでも必ず同じサウンドになるとは限らず、作品ごとの狙いも併せて確認する必要があります。
日本語曲「Almond Chocolate」では、SEKAI NO OWARIのNakajinとPdoggが制作に関わっています。グループの既存曲を別の言語に置き換えるだけでなく、日本語のオリジナル曲として、歌の流れや感情の伝わり方を楽しめる作品です。また、日本1stシングル『時よ止まれ』の表題曲では、紫 今が日本語詞を担当しています。同じグループの作品でも、作り手と言語が変わることで、言葉の長さ、響き、旋律への収まり方に違いが生まれます。一方、メンバー自身の参加が確認できる例としては、「NOT ME」の作詞に関わったYUNAH、MINJU、MOKAが挙げられます。本人たちが使う呼び方などのアイデアが作品へ取り込まれ、他人からの一つの呼び名では説明し切れない自分たちを表す内容につながっています。制作への参加は、歌う役割から言葉を提案する役割へ広がる機会でもあります。こうした背景を知ると、クレジットは単なる人名の一覧ではなく、作品のどの部分に誰の視点が入っているかを考える手掛かりになります。曲を聴いて印象に残った言葉や音があれば、作詞、作曲、プロデュースの欄を見比べることで、次に聴きたい作品も探しやすくなるでしょう。
ILLITの代表的な楽曲から見る音楽性
ILLITの音楽性を具体的につかむには、曲ごとに聴くポイントを変える方法が役立ちます。「Magnetic」では、まず声とリズムのかみ合いに注目してください。好きな相手へ気持ちが向かう内容を、反復する短いフレーズと弾む伴奏が支えています。言葉を長く説明するより、同じ響きが何度も戻ってくることで、気持ちが離れない状態を耳にも残す作りです。導入からサビまで、音がどのように増減するかを追うと、軽さを保ったまま展開する工夫も分かります。続いて「Lucky Girl Syndrome」を聴くと、同じデビュー作でも、意識の向かう先が変わります。恋愛相手だけでなく、日常を肯定的に受け止める気分を、明るい音楽として楽しめる曲です。二曲を並べることで、ILLITの軽快さには、恋の落ち着かなさを表す場合と、前向きな気持ちを広げる場合があると分かります。一方、「Cherish(My Love)」では、サビの声の反復と、その合間をつなぐ旋律を聴き比べるとよいでしょう。音として覚えやすい部分と、感情を歌としてつなぐ部分が組み合わされています。
もう少し細かな音を楽しみたい場合は、「Tick-Tack」が入口になります。細かく動く電子音を一つの流れとして聞くか、短い音の集まりとして聞くかで、印象が変わる曲です。歌の発音も伴奏と一緒に動くため、歌だけを追った後に背景の音へ意識を移すと、新しい動きに気付きやすくなります。対して「Almond Chocolate」は、フレーズが次へ向かう流れや、歌の中で感情が膨らむ様子を楽しめます。短い反復に耳を引かれる曲とは別の角度から、声の柔らかさや旋律の親しみやすさが分かります。「NOT CUTE ANYMORE」を続けて聴けば、音数が少なくても曲の印象を作れることが実感できるでしょう。落ち着いた伴奏の上で、言葉をどう置くかが聴きどころになります。これらの作品を比較する目的は、どの曲が最も優れているかを決めることではありません。同じグループでも、声がリズムの一部になる曲、旋律の流れを中心に聴く曲、言葉の調子を味わう曲があると知ることです。お気に入りの一曲を見つけたら、それとテンポや音の密度が違う曲を一緒に聴くと、共通する歌声の魅力と、作品ごとの工夫を同時に捉えられます。
ILLITのライブ・パフォーマンスで感じられる魅力
ILLITの音楽は、振り付けを伴うことで、リズムや歌詞の動きが目に見える形になります。手指の細かな動き、視線を合わせるタイミング、メンバー同士の位置関係が、音の反復や感情の変化に対応します。「Magnetic」のように短い音が繰り返される曲では、手の動きが音を視覚化する役割を果たします。映像を見た後に音源へ戻ると、振り付けの場面を思い浮かべながらリズムを聴ける点も特徴です。ただし、パフォーマンスの見どころは、印象的な一つの動作だけではありません。次の位置へ移る間、誰の歌を受けて誰が前へ出るか、顔を上げる瞬間がどの音と重なるかを追うと、曲全体の構成が見えてきます。デビュー時のインタビューでも、MOKAとYUNAHは互いに目を合わせる場面について触れています。相手に反応する動きがあることで、単独の振り付けを並べるだけでは生まれない、会話のような場面が作られます。全体が映る映像と一人を追う映像では見える要素が違うため、同じ曲でも異なる角度から楽しめます。
2026年のコンサート『PRESS START』では、音源とは違うアレンジも取り入れられました。「Magnetic」は「Starlight Remix」で披露され、「Almond Chocolate」の韓国語版には、ピアノと歌を中心に聴かせる場面が設けられています。後者では踊らずに歌うことで、普段のパフォーマンスとは違う条件で声に耳を向けられます。華やかな伴奏に包まれていた旋律を別の編成で聴くと、フレーズのつながりや息の長さが分かりやすくなります。また、「Lucky Girl Syndrome」にはハウスのアレンジが施され、同じ曲でも会場で体を動かす感覚が変わりました。こうした変更は、単に演出を豪華にするためだけのものではなく、元の曲が持つ別の表情を示す方法として捉えられます。音源で親しんだ楽曲が、ライブでは声を中心にした曲にも、踊る時間を共有する曲にもなるのです。観客として聴く際は、原曲と何が違うかを探すことに加え、その変更によってどの部分が聞こえやすくなったかにも注目してみてください。ダンス、歌、伴奏のどれを前面に置くかという選択を知ると、ステージを通じて音楽そのものを聴き直す楽しみが生まれます。
ILLITの音楽性はどのように変化してきた?
ILLITの音楽性の変化は、作品ごとに扱う感情と、それを表す音の関係から整理できます。2024年3月の『SUPER REAL ME』は、自分たちの感覚や空想を紹介する出発点でした。恋愛の高揚感だけでなく、夜の想像や前向きな気分を含む構成から、身近な生活と頭の中の世界を行き来する姿が見えます。同年10月の『I'LL LIKE YOU』では、好きという気持ちに焦点を当てつつ、軽快な曲と落ち着いた曲を通して、同じ感情の異なる表情を示しました。一つのイメージを反復するだけでなく、迷いやもどかしさまで歌うことで、主人公の内面に奥行きが生まれています。2025年6月の『bomb』では、自分の気持ちを見つめる段階から、実際に相手と関わる段階へ進みます。そのため、緊張、嫉妬、秘密の共有など、ほかの人がいるからこそ生じる感情が題材になりました。音楽の変化を単に明るさや大人っぽさだけで説明するより、歌の主人公がどんな状況にいるかを追うと、作品同士のつながりが理解できます。
同年11月の『NOT CUTE ANYMORE』では、印象を広げようとする意志が、リズムと歌唱にも表れました。軽く弾む電子音の印象から一歩離れ、抑えた伴奏と会話のような声で、自己表現の新しい方法を試しています。かわいらしさをすべて取り去ったというより、一つの言葉に収まらない自分たちを、違う音の選択によって示した作品と捉えられます。2026年4月の4thミニアルバム『MAMIHLAPINATAPAI』では、関係の中で生じる期待や迷い、つながりを求める気持ちがさらに広がりました。表題曲「It's Me」の力強い展開に加え、身支度を題材にする「GRWM(Get Ready With Me)」、ペットとの絆に目を向ける「paw, paw!」など、感情の置き場所も多様になっています。恋愛だけに世界を閉じず、日々の行動や身近な存在から歌を作る方向が確認できます。2026年10月19日時点では、5thミニアルバム『BREAK EVEN』の韓国での発売が10月26日に予定されています。未発売の作品の音楽性を断定せず、これまでの楽曲と発売後の音源を比較することで、次の変化を確かめられます。ILLITの歩みは、親しみやすい声や遊び心を土台に、表せる感情とサウンドの種類を増やしてきた過程といえるでしょう。
まとめ|ILLITならではの音楽性に注目して聴いてみよう
ILLITの音楽性を形作るのは、軽やかな歌声、覚えやすいフレーズ、感情を身近なものに置き換える言葉の選び方です。「Magnetic」のように声と電子音が一緒に弾む曲がある一方、「Pimple」の穏やかさや、「NOT CUTE ANYMORE」の会話に近い表現からは、異なる聴きどころも見えてきます。5人の声は、それぞれの個性を保ちながら、曲の導入、次の展開へのつなぎ、反復するサビなどで役割を変えています。また、制作陣との協働に加え、メンバーが言葉の提案に関わる作品もあり、本人たちの視点が音楽へ取り込まれています。ライブでは、振り付けによってリズムを見せるだけでなく、伴奏を変えて声や旋律を聴かせる試みも行われています。初めて聴く場合は、代表曲を一曲選び、同じアルバムの落ち着いた曲や別の時期の作品と比べてみてください。歌の発音、背景で鳴る音、主人公の感情に順番に注意を向けると、同じ曲の中でも新しい発見があります。作品を重ねる中で変わった部分と、変わらず残る親しみやすさを聴き分けることが、ILLITならではの音楽を楽しむ手掛かりになります。


