須田景凪の経歴まとめ|活動開始から現在までを時系列で徹底解説

須田景凪の経歴まとめ|活動開始から現在までを時系列で徹底解説
須田景凪は、ボカロP「バルーン」として楽曲を発表した後、自分の声で歌うシンガーソングライターとして活動を広げてきた音楽家です。その経歴には、ドラマーを目指した学生時代、自宅での作曲、動画投稿、初ワンマンライブ、映像作品の主題歌制作など、表現のあり方が変わる転機があります。「シャルル」の作者という紹介だけでは、制作や歌唱、観客との関係がどのように発展したのかまでは見えてきません。この記事では、音楽活動を始める前から2026年10月時点までを時系列で整理します。代表曲やアルバムの発売時期を確認しながら、それぞれの経験が次の作品や活動にどう結びついたのかを、本人の発言と具体的な出来事をもとに解説します。
須田景凪の活動開始前
須田景凪の音楽との関わりは、歌うことや動画を投稿することより前に、音楽を聴き、ドラムを演奏するところから始まりました。小学生の頃、幼なじみを通じてポルノグラフィティを知り、曲を聴くようになったと本人が振り返っています。その後、中学生の頃に友人から借りたライブDVDを見て、サポートドラマーの姿にひかれたことが、楽器を始めるきっかけになりました。ここで注目したいのは、最初に目標となったのが、ステージの中心で歌う人ではなく、演奏によって音楽を支える人だったことです。現在はシンガーソングライターとして紹介される須田景凪ですが、出発点から歌手としての活動を計画していたわけではありません。本人は音楽のルーツとしてポルノグラフィティを挙げるほか、東京事変やBLANKEY JET CITYなども聴いていたと話しています。バンドの音楽に親しみ、その中でもリズムを担う楽器に関心を持ったことが、後の活動を考えるうえでの土台になります。
やがてバンドでドラマーとして活動し、音楽大学にも進みました。当時は、プロのドラマーやスタジオミュージシャンとして音楽に関わる道を考えていたと明かしています。バンドでは、ギターボーカルが作った曲にリズムを加える立場を経験しました。演奏者として曲に参加する一方、音楽のまとまりや、歌と楽器の関係を実践の中で学ぶ時間でもあったと捉えられます。本人は後年の制作インタビューでも、長く続けた楽器がドラムであり、曲の軸となるリズムを大切にしていることを語っています。そのため、ボカロを使った作品や本人名義の歌にも、ドラマー時代からつながる視点があります。活動開始前の経歴を知ると、インターネットの音楽文化だけで育った作り手という説明では足りないことが分かるでしょう。バンド音楽を聴き、実際に演奏し、職業として音楽を続けることも考えた期間が、後の一人で作る音楽を支えていました。曲作りへ転じる前に、演奏する側から音楽を見ていたという順序が、須田景凪の経歴を理解する最初のポイントです。
須田景凪が音楽活動を始めたきっかけ
ドラマーとして活動するうちに、須田景凪は、自分でもメロディーやコードを考えるようになりました。しかし、バンドの中で生まれたアイデアが、そのまま採用されるわけではありませんでした。本人は、メンバーとの意思疎通や、自分の意見が通らないことに難しさを感じ、それなら自分で形にした方がよいと考えて作曲を始めたと説明しています。重要なのは、単に別の楽器を始めたのではなく、曲の一部分を担当する立場から、楽曲全体を自分で作る方向へ関心が移ったことです。その選択を実行するために、当時所有していたドラムセットを売り、ギターやパソコンなどの制作環境をそろえました。長く取り組んできた演奏の道具を、まだ経験の少ない作曲の道具へ置き換えた出来事からも、活動の方向が具体的に変わったことが分かります。歌い手を中心にバンドを組み直す方法ではなく、まずは一人で思い描いた音楽を完成させる方法を選んだのです。
歌のある曲を作る手段として選んだのが、ボーカロイドでした。歌声合成ソフトを使えば、メロディーと歌詞を入力して歌唱を作り、自分の考える表現に合わせて調整できます。本人も、周囲に自分の細かな希望を聞いて歌ってくれる人がいなかったことや、とにかく考えたものを音楽として出したかったことを、その選択の背景に挙げています。作曲を始めた時点では、DTMと呼ばれるパソコンを使った音楽制作の経験もなく、操作や制作方法を調べながら覚えていきました。一方で、細かな作業は好きだったため、最初はゲームに取り組むような楽しさがあったとも語っています。当初から音楽だけで生活することを明確に計画していたわけではなく、自分の気持ちを外に出せる場所として制作を始めたことも本人が説明しています。後の実績から逆算して最初から成功を目指した計画だったと捉えるより、自分の曲を完成させたいという動機が先にあったと理解する方が、当時の経緯に沿っています。このように、表現したい内容と、それを一人でも実現できる制作手段が結びついたことから、新たな音楽活動が動き始めました。
須田景凪の結成・活動開始
須田景凪は個人で活動する音楽家のため、経歴の起点となるのはグループの結成ではなく、バルーン名義による楽曲発表です。2013年2月頃にパソコン、作曲ソフト、ギター、ボーカロイドを購入し、同年4月に「造形街」をニコニコ動画へ投稿しました。これがボカロPとしての活動開始に当たります。作品を自宅で作るだけでなく、誰かが聴ける場所へ公開したことで、制作と発表を繰り返す活動が始まりました。その後の作品で知られるようになる前に、曲を完成させ、動画として届ける経験を積んでいた時期です。2016年には、歌声合成ソフトのflowerを使った「花瓶に触れた」を発表。本人は、この曲を通して自分を知ってくれた人が増えたと振り返っています。また、この頃には、自作のCDを手売りするイベント「THE VOC@LOiD M@STER」にも出展しました。動画の再生数という形で受け取っていた反応が、目の前で作品を手に取る人の姿にも変わり、聴き手の存在をより具体的に意識する機会になりました。
2016年10月に発表した「シャルル」は、活動が広がる大きなきっかけとなりました。flowerが歌うバージョンに加え、自身の歌唱によるセルフカバーも公開されています。合成音声で作った歌を本人も歌うことで、作曲家としてだけでなく、歌い手としての表現も聴かれるようになったのです。本人は、この曲の制作時、自分が作りたいものと、多くの人に聴いてもらうこととの間で迷いがあったと明かしています。その中で自分の内側にあるものを優先して作った曲が広く届き、好きなものを作ってよいという実感につながったと話しています。その後も「メーベル」「雨とペトラ」「レディーレ」などを発表し、作品の蓄積を進めました。ここでの変化は、一曲が知られたことだけではありません。自分の意思で作った曲が受け取られ、その曲を自分で歌う活動にも反応が返ってきたことで、次の表現を選べるようになった点にあります。2013年の投稿から数年をかけて、作曲、公開、聴き手との接触、本人歌唱という経験が重なり、後のシンガーソングライターとしての活動につながっていきました。
須田景凪のデビューまでの歩み
2017年10月、本人の声で歌う須田景凪名義の活動が始まりました。バルーンと須田景凪は同じ人物ですが、新しい名前を設けた背景には、合成音声で届ける曲と、自分自身が歌う意味を持つ曲とを区別したいという考えがありました。「アマドール」はダンロップのアニメーション作品『ROAD TO YOU―君へと続く道―』の主題歌となり、同年12月には「レド」のミュージックビデオも公開されています。2018年1月31日には、これらの曲に「Cambell」「ポリアンナ」「密」などを加えた全10曲の1stアルバム『Quote』を発売しました。過去の人気曲を本人が歌うだけではなく、新しい名義で一枚の作品を作り、自分の声を前提とした表現を示したことになります。続いて、3月16日に東京・渋谷WWWで初ワンマンライブ「須田景凪 1st LIVE “Quote”」を開催。本人がギターを持って歌い、サポートメンバーとともに、アルバム収録曲やバルーン楽曲のセルフカバーを披露しました。
初ワンマンは、作品を届ける方法だけでなく、聴き手との関係を変える出来事にもなりました。須田景凪は後年、観客が声を出し、さまざまな表情を見せる中で、互いの価値観を共有する体験が大きかったと振り返っています。2018年には東京と大阪で「LIVE 2018 “Dolly”」も開催し、ステージで歌う経験を重ねました。その後、2019年1月16日にEP『teeter』をunBORDEから発売し、メジャーデビューを迎えます。同作には「パレイドリア」「Dolly」「レソロジカ」など6曲を収録。「パレイドリア」の制作では、ギター、ベース、ドラムの生演奏を他の演奏者に任せる方法に取り組みました。一人で完成させてきた音楽へ人の演奏が加わり、同じ曲を皆で作る感覚を得たことが、本人の説明から分かります。ライブで観客を知り、録音で演奏者と協力するようになった変化が、メジャーデビュー前後の作品に重なっています。活動の規模が変わっただけでなく、制作を他者と共有する方向へ進んだことが、この時期の重要な転機です。
須田景凪のデビュー後の活動
2019年のメジャーデビュー後は、ライブと新作発表に加えて、映像作品に向けた主題歌制作が本格化します。8月21日発売のEP『porte』には、テレビアニメ『炎炎ノ消防隊』のエンディング主題歌「veil」と、アニメーション映画『二ノ国』の主題歌「MOIL」が収録されました。作品のために曲を作る仕事では、須田景凪自身の感情だけでなく、物語や登場人物との関係も考える必要があります。「veil」については、主人公の森羅日下部に自分と重なる部分を見つけながら制作したことを明かしています。また、アニメ本編を見終えた余韻の中で自分の曲が流れる体験から、同じ音楽でも聴く場面によって受け取り方が変わることを改めて感じたと語っています。続く2020年には、ドラマ『アライブ がん専門医のカルテ』の主題歌「はるどなり」、映画『水曜日が消えた』の主題歌「Alba」を発表。「Carol」はNHK『みんなのうた』で放送されました。自分の曲を聴きに来る人へ届ける活動から、映像や番組の中で初めて出会う人にも歌を届ける活動へと、仕事の幅が広がった時期です。
一方、2020年には新型コロナウイルスの影響により、予定していたライブ活動が中断されました。須田景凪は、観客と近づける大切な時間を失ったことを受け、制作中だったアルバムの方向性を練り直したと説明しています。当初の構想をそのまま完成させるのではなく、その時代に発表する音楽として考え直し、新たな曲も加えていきました。こうして2021年2月3日に発売されたのが、メジャー1stフルアルバム『Billow』です。前述の主題歌などに加え、映画『名も無き世界のエンドロール』の主題歌「ゆるる」も含む全15曲を収録し、オリコン週間アルバムランキングで7位を記録しました。映像作品との関わりを通じて作った曲と、自分自身の状況や社会への感覚から生まれた曲が、一枚の作品にまとめられています。同時期には『ミュージックステーション』の企画「Spotlight」や、『CDTVライブ!ライブ!』『バズリズム02』への出演もありました。デビュー後の活動は、作品を増やすだけでなく、聴かれる場所の拡大と、外の出来事を受けて制作を見直す経験を伴って進んでいます。
須田景凪が注目を集めた転機
2023年は、須田景凪の本人名義の楽曲と歌唱を、異なる形で知る機会が重なった年です。1月18日に「ダーリン」を配信し、1月25日にはミュージックビデオを公開しました。映像では本人の実写と、継続して作品をともに作ってきたアボガド6によるアニメーションが組み合わされています。楽曲だけを届ける方法に加えて、歌う本人と映像表現が同じ作品の中に現れることが、この曲の見せ方の特徴でした。さらに、テレビアニメ『スキップとローファー』のオープニング主題歌「メロウ」を発表しています。本人は制作時、物語全体をまとめるよりも、志摩が美津未を見る視点を手がかりにしたと説明しました。主人公たちの関係を一人の感情として歌にすることで、作品と結びつきながら、単独の楽曲としても聴ける形を目指したことが分かります。強い感情を押し出す楽曲と、他者に向けられたまなざしを描く楽曲が同じ時期に発表され、本人名義の表現の幅を示しました。
5月24日には、メジャー2ndフルアルバム『Ghost Pop』を発売。「ダーリン」「メロウ」に加え、「いびつな心 feat. むト」なども収録し、一つの歌唱や曲調だけでは説明できない作品群を提示しました。また、この年にはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」に出演し、「シャルル」と「ダーリン」をオリジナルアレンジで披露しています。その音源は6月21日に配信されました。動画作品として作り込まれたミュージックビデオとは異なり、一発撮りの歌唱を見ることで、本人がどのように声を出し、一曲を歌い切るのかを確かめられる機会です。ここで過去の代表曲と当時の新曲が同じ場に並んだことも、バルーン時代からの活動と、現在の歌い手としての姿を結びつける出来事になりました。その後は「TOUR 2023 “Ghost Pops”」へと展開し、新作をライブでも届けています。この時期を転機と捉えられるのは、単に新しいアルバムが出たためではありません。新曲、アニメ主題歌、映像、一発撮りの歌唱、ツアーという複数の形で、須田景凪自身の表現を知る材料がそろったからです。インターネットで曲を発表してきた経歴が、歌う本人への関心にもつながる活動となりました。
須田景凪の近年の活動
2024年には、1月にテレビアニメ『月が導く異世界道中 第二幕』のオープニングテーマ「ユートピア」、3月にdアニメストアのCMタイアップ曲「エイプリル」を発表しました。6月には、ドラマ『クラスメイトの女子、全員好きでした』の主題歌「ユーエンミー」を配信しています。アニメやドラマに加え、CMのための書き下ろしへと制作する場が広がりました。また、5月にはHYの「366日 feat. 須田景凪」がドラマ『366日』第7話のエンディングで流れ、配信も開始されています。自身が作る楽曲を発表する活動と並行し、他のアーティストの楽曲を声で届ける機会も生まれました。ライブでは「HALL TOUR 2024 “Artless”」を開催。作品発表、他者との歌唱、ホールでの実演が並行して進む一年になっています。本人名義での活動を重ねた結果、自分の曲を歌うという枠だけでなく、別の作品や歌声と関わる形にも活動が広がっていることが、この時期の経歴から読み取れます。
2025年4月16日には、バルーン名義の企画アルバム『Fall Apart』を発売しました。「メーベル」をなとり、「パメラ」をChevonが歌い、「雨とペトラ」では東京スカパラダイスオーケストラのプロデュースによる高畑充希の歌唱、「シャルル」ではキタニタツヤのプロデュースによるAdoの歌唱を収録するなど、複数の音楽家が作品を再構成しています。自分で細部を作って届けてきた楽曲を、他の表現者の解釈に開く企画になりました。ヒトリエと制作した「WOLF」は、バルーン名義での発表に続いて須田景凪の歌唱版も公開され、二つの名義を行き来する活動も継続しています。同年は「ミラージュ」、アニメ『暗殺教室』再放送の第2弾オープニングテーマ「ラストルック」、『夢中さ、きみに。』のオープニング主題歌「ラブル」なども発表。さらに、syudouとバルーンによる「ペンタトニック」は、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』の5周年アニバーサリーソングとして制作され、10月1日に配信されました。近年の活動は、過去の作品を新たな解釈で届ける企画と、新しい依頼や共同制作によって曲を生む活動が、同時に進んでいる点に特徴があります。
須田景凪の現在と今後の活動
2026年には、国内に加えて海外での単独公演へ活動を広げました。「TOUR 2026 “GLIMMER”」は3月に大阪と東京で開催され、5月23日と24日にソウルのROLLING HALL、5月30日に台北のLEGACY TAIPEIでも公演を実施。本人にとって初めての海外ワンマンライブとなりました。動画や配信を通じて地域を越えて聴かれてきた音楽を、本人が現地へ赴いて歌う機会になっています。国内では8月から9月に「yawn LIVE TOUR “knot”」でさいたま新都心、神戸、金沢を回りました。新曲の発表も続き、ドラマ『俺たちバッドバーバーズ』のオープニングテーマ「リベラ」、dアニメストアのCMタイアップ曲「ニーナ」に加え、6月には「悪夢」、8月には「BLACK」を配信しています。また、バルーン名義では『プロジェクトセカイ』に向けた書き下ろし曲「レム」を7月31日に発表しました。歌う活動が広がった現在も、ボカロPとしての制作を続けていることが分かる一年です。
9月9日には、約3年ぶりのメジャー3rdフルアルバム『LOVE HATE』を発売しました。近年のタイアップ曲や新曲、「レム」のセルフカバーなど全16曲を収録しています。二つの名義による活動、映像作品に向けた制作、演奏者との共同制作が、一枚のアルバムの中で合流した作品です。続く9月19日には、東京のSGC HALL ARIAKEで「HALL LIVE 2026 “LOVE HATE : ERROR”」を開催し、収録曲を全曲披露しました。アルバムを発売するだけで終えず、作品全体をライブで体験できる形にしたことが、この時期の活動をよく表しています。2026年10月時点で発表されている今後の予定には、2027年4月29日の「須田景凪 HALL LIVE 2027 “NULL”」があります。会場はパシフィコ横浜の国立大ホールです。開催済みの活動と今後の予定を分けて見ると、現在は新作の発表と実演を経て、翌年のホール公演へ進んでいる段階と整理できます。自宅から投稿を始めた作り手が、観客や演奏者との関係を重ね、海外の会場でも歌うようになった過程が、ここまでの経歴につながっています。
まとめ|須田景凪の経歴を振り返ろう
須田景凪の経歴は、ドラマーを目指した時期から、自分の曲を一人で完成させる作曲活動へ進んだことに始まります。2013年にバルーン名義で動画投稿を開始し、作品の蓄積とセルフカバーを通じて、歌い手としての活動にもつながりました。2017年に本人名義で活動を始め、初アルバムとワンマンライブを経験した後、2019年にメジャーデビューしています。その後は映像作品の主題歌、フルアルバム、音楽番組や動画での歌唱、他のアーティストとの共同制作へと展開しました。各時期に共通するのは、制作環境や聴き手との関係が変わるたびに、作品の届け方も広がっていることです。2026年には初の海外ワンマンライブと『LOVE HATE』の発表を実現し、翌年のホール公演も告知されています。経歴を知ると、有名曲から次のヒット曲へ進んだだけではなく、一人で作る経験と他者と共有する経験が重なってきたことが分かります。初期のボカロ曲、本人名義のアルバム、近年のライブ映像を順にたどり、声や演奏、曲を届ける場の変化にも注目してみてください。それぞれの作品が生まれた時期を知ることで、須田景凪の音楽をより立体的に楽しめるでしょう。


