LE SSERAFIMの音楽性とは?ジャンル・歌声・楽曲の特徴を徹底解説

LE SSERAFIMの音楽性とは?ジャンル・歌声・楽曲の特徴を徹底解説
LE SSERAFIM(ルセラフィム)の音楽性は、力強いダンスだけでは説明しきれません。低音を生かしたクールな歌、身体を動かしたくなるリズム、迷いや不完全さも言葉にする歌詞が重なり、作品ごとに異なる表情を見せています。「FEARLESS」「ANTIFRAGILE」「EASY」「CRAZY」では、声の使い方もサウンドの組み立ても変化してきました。この記事では、ジャンル、5人の歌声、歌詞、制作陣、ステージという視点から、その特徴を具体的な楽曲とともに解説します。代表曲に加えてアルバム収録曲や2026年の作品にも触れ、初めて聴く人が自分の好みに合う一曲を見つけられるよう、音楽そのものを掘り下げます。
LE SSERAFIMはどんな音楽を届けるアーティスト?
LE SSERAFIMは、SAKURA、KIM CHAEWON、HUH YUNJIN、KAZUHA、HONG EUNCHAEの5人からなる、SOURCE MUSIC所属のグループです。音楽を理解するうえで軸になるのは、自分の進む方向を他人の評価だけに委ねず、自分の言葉と身体で示す姿勢です。ただし、その姿勢は強気な歌詞だけで表現されるわけではありません。抑えた声で淡々と歌う場面もあれば、仲間と声を重ねる場面、揺れる気持ちを静かに届ける場面もあります。曲によって変わる感情に合わせて、歌い方と音の質感を選び直している点が特徴です。デビュー作『FEARLESS』では、メンバーへのインタビューがコンセプトやメッセージの材料になったとチェウォンが説明しています。外側から与えられた役柄を演じるだけでなく、自分たちの経験を作品に接続する考え方が、出発点からあったことが分かります。
音楽の入口として分かりやすいのは、歌のメロディーと同じくらいリズムを大切にしていることです。短い言葉を繰り返すフレーズ、歌とラップの間を行き来する発声、ドラムや低音の反復が組み合わさり、聴き手が身体で覚えやすい構造を作ります。その一方で、アルバムには声の柔らかさを聴かせる曲も置かれており、表題曲の印象だけでグループ全体を判断すると、表現の幅を見落としやすくなります。また、「The World Is My Oyster」や「Chasing Lightning」のように、語りを取り入れた曲が作品の入口を担うこともあります。歌に入る前から、声の調子や言葉の並びで作品の空気を提示する構成です。韓国語、日本語、英語を含む声の組み合わせも、単なる説明ではなく音として働いています。初めて聴くなら、ミュージックビデオで全体像をつかみ、その後にアルバムを曲順どおり聴いてみるとよいでしょう。踊れる曲の後に置かれた穏やかな曲によって、前の曲の強気な言葉が違って聞こえることもあります。LE SSERAFIMは、特定のジャンルを守ることで統一感を作るというより、異なる音楽を通じて同じ人たちの感情を描くグループだと捉えると、その音楽を理解しやすくなります。
LE SSERAFIMの音楽ジャンルとサウンドの特徴
LE SSERAFIMの音楽ジャンルは、K-POPを土台としながら、ダンスポップ、ヒップホップ、R&B、ロック、クラブミュージックなどへ広がっています。ここで注目したいのは、ジャンル名の多さよりも、曲ごとに何を中心に聴かせているかという違いです。「FEARLESS」では、低音の動きと歯切れのよいリズムが前面に出ています。音を次々に重ねて盛り上げるというより、必要な音を絞った伴奏の上に声を配置するため、言葉の切り方や息の感触まで耳に残ります。対して「ANTIFRAGILE」は、ラテンのリズムが身体の揺れを生み、繰り返されるフレーズが推進力になります。曲の勢いは速い歌唱だけから生まれるのではなく、リズムのアクセントと声を置く位置の組み合わせによって作られています。同じダンス曲でも、落ち着いた緊張感を持つ曲と、外に向かって熱を放つ曲では、聴いたときの感覚が異なります。
「UNFORGIVEN(feat. Nile Rodgers)」は、映画『続・夕陽のガンマン』のテーマ曲をサンプリングし、ナイル・ロジャースのギターを迎えた作品です。サンプリングとは、既存の録音の一部を新しい楽曲の素材として使う手法を指します。西部劇を連想させる音と、細かくリズムを刻むギターが同居することで、曲に独特の輪郭を与えています。一方、「CRAZY」ではハウスが中心となり、一定の間隔で進むビートと反復するフレーズが、踊り続けたくなる感覚を作ります。ハウスはクラブで発展したダンス音楽の一つで、細かい知識がなくても、規則的な低音に身体を預けると特徴をつかみやすいジャンルです。アルバム『CRAZY』には、ロックの色が濃い「1-800-hot-n-fun」も収録されています。電子的なビートとギター中心の音では、声の荒さや滑らかさの感じ方も変わります。ベース、ドラム、ギター、電子音のうち、どれが曲を引っ張っているかに耳を向けると、LE SSERAFIMが作品ごとに選ぶサウンドの違いが具体的に聞こえてきます。
LE SSERAFIMの歌声・歌唱スタイルの特徴
LE SSERAFIMの歌声を聴く際は、誰が高い音を出すかだけでなく、声の明るさ、厚み、言葉の立て方に注目すると違いが分かります。チェウォンの声は輪郭が明瞭で、軽やかなメロディーにも、芯を持たせたフレーズにも対応しています。本人はデビュー時、「FEARLESS」で、それまで慣れていた透明感のある甘い歌い方とは異なる低い音域に挑戦したと説明しました。この発言からも、現在聴こえる声の印象を、生まれつき固定された性質として扱うのは適切ではありません。楽曲に合わせた選択と練習によって、表現は変化しています。ユンジンは、声を前に押し出す場面と柔らかく響かせる場面の差が分かりやすいメンバーです。「Pierrot」で聴けるクラシカルな響きの歌唱は、リズム中心の曲の中に別の空気を持ち込みます。5人の声を同じ方向へそろえるだけでなく、異なる質感を曲の途中で切り替えることで、展開を作っているのです。
サクラは、落ち着いた響きで言葉を置くパートに注目すると、曲の姿勢を伝える役割が聞き取りやすくなります。カズハの声にも低い音域の落ち着きがあり、語りに近いフレーズと旋律のあるパートを行き来します。カズハは「EASY」の録音について、力を強めて印象づける方向から、力を抜いたクールな声を探る方向へ取り組んだと話しています。ウンチェも同曲について、高音を張り上げる歌とは異なり、ラップに近い歌唱への挑戦だったと説明しています。音程だけでなく、拍のどこに言葉を置くかが曲の印象を左右するためです。また、「Ash」では、息を含む軽い声や裏声が、力強い曲とは異なる表情を引き出します。こうした違いを踏まえると、メンバーを一つの役割に当てはめるより、同じ人が曲ごとにどう声を変えるかを追う方が、歌唱の面白さに近づけます。ソロの声が交代する部分と、複数の声が重なる部分を聴き比べると、グループとしての響きも捉えやすくなります。
LE SSERAFIMの歌詞に見られる特徴や世界観
LE SSERAFIMの歌詞には、自分の意思で選ぶこと、他者の視線との距離、不完全な自分を受け止めることが繰り返し現れます。ただし、そのメッセージを単純な成功宣言としてまとめると、作品の中にある迷いが見えにくくなります。例えば「Good Parts(when the quality is bad but I am)」は、完璧ではない状態も含めて自分を認める方向の楽曲です。タイトルにある良い部分とは、欠点をすべて取り除いた後に残るものだけを意味するわけではありません。弱さを隠して完成された姿を見せるという発想から少し離れ、自分を見る基準そのものを問い直す歌として聴けます。「Swan Song」では、外からは自然で優雅に見える姿と、その裏側にある努力や不安との距離が描かれます。ステージ上で軽々と見えることと、本人が容易に実現していることは同じではないという視点です。聴き手も、自分の仕事や生活に置き換えて受け止められる内容になっています。
物語や象徴を借りる表現も特徴です。「The Great Mermaid」は人魚姫の物語を読み替える発想を持ち、「Eve, Psyche & The Bluebeard’s wife」は、規範や禁じられたものに近づく女性たちを題名に置いています。固有名詞を使うことで、単に自由を求めると説明するよりも、自分に課された境界線を越えるイメージが立ち上がります。もっとも、曲を聴くために元の物語の知識が必須というわけではありません。反復される言葉と声の態度からも、ためらいと前進のせめぎ合いが伝わります。また、ユンジンが制作を主導した「CRAZIER」は、何かに夢中になる生き方だけを正解にせず、そうできない時間にも目を向けています。メンバーも、夢中になれる人とそうでない人の双方を肯定する曲として紹介しています。強くあろうとする言葉と、強くいられない状態を認める言葉が並ぶことで、作品の世界に奥行きが生まれます。歌詞を読む際は、誰に向けて語りかけているかにも注目するとよいでしょう。自分への宣言なのか、仲間への呼びかけなのかによって、同じ力強いフレーズでも温度が変わります。表題曲と穏やかな収録曲を合わせて聴くと、その違いを感じ取りやすくなります。
LE SSERAFIMの楽曲制作やサウンドを支える人物
LE SSERAFIMのサウンドを支える中心的な制作陣として、SCOREとMegatoneによるチーム「13」が挙げられます。2人はグループの企画段階から関わり、メンバーの物語を音楽にする方向を共有してきました。制作についてのインタビューでは、声の細かな表情を引き出す録音時の指示や、デビュー後に進んだメンバー自身の歌詞理解にも触れています。プロデューサーの仕事は伴奏を作ることだけではありません。同じ言葉でも、強く言い切るのか、少しからかうように歌うのか、抑えて届けるのかを選ぶことで、曲の主人公の性格まで変わります。LE SSERAFIMの短いフレーズに態度が感じられる背景には、こうした声の演出があります。デビュー作ではパン・シヒョクも楽曲制作に参加しており、初期から複数の作家や制作陣が関わる体制で作品が作られてきました。
一方、メンバー自身も制作に参加しています。「Blue Flame」ではチェウォンとユンジンが作詞に携わり、初期から歌い手の経験や発想を作品へ取り込む機会がありました。その後、『CRAZY』収録の「CRAZIER」では、ユンジンがメインプロデューサーとして関わっています。ここでは制作参加を、名前がクレジットに載るという事実だけで捉えるより、曲が何を語るか、どのような感情を残すかに本人の視点が入ることとして見ると理解しやすくなります。外部の音楽家との協働も、作品の幅を広げています。『HOT』の「Come Over」には、イギリスの音楽グループJungleの制作陣が参加しました。また、「So Cynical(Badum)」にはチェウォン、ユンジン、ウンチェが歌詞制作で関わっています。2026年には「iffy iffy」でウンチェが作詞に参加し、「Trust Exercise」にチェウォンが制作で関わっています。外部の音作りとメンバーの言葉が組み合わさることで、グループとしての視点を保ちながら新しい響きに挑戦できるのです。作品ごとに参加者は異なるため、すべての曲をメンバーが単独で作っているわけではありません。作詞、作曲、編曲、歌唱の演出という役割を分けてクレジットを見ると、一曲が共同作業によって形になる過程が見えてきます。
LE SSERAFIMの代表的な楽曲から見る音楽性
LE SSERAFIMの音楽性を具体的に知るなら、表題曲と異なる表情を持つ収録曲も聴いてみると、理解が広がります。まず「Impurities」は、滑らかなR&Bの感触と、抑えた歌唱の組み合わせが分かりやすい一曲です。声を強く押し出すことよりも、流れるようなメロディーとリズムの間に身を置く感覚が中心にあります。歌のない隙間や伴奏の反復にも注意すると、落ち着いた雰囲気がどのように保たれているかを聴き取れます。同じ『ANTIFRAGILE』の「No Celestial」では、ギターを中心としたロックの響きへ切り替わります。声の勢い、前へ進むリズム、自由に歌う感触が結びつき、きれいに整った存在でいなければならないという窮屈さから離れるような曲になっています。2曲を続けて聴くだけでも、静かな表現と外向きの表現の両方を同じ作品に収めるグループだと分かります。音量やテンポの違いだけでなく、言葉をどれほど鋭く発音するかという違いにも耳を向けてみてください。
英語曲「Perfect Night」は、仲間と過ごす時間を軽やかに描く作品で、壮大な宣言よりも親しい距離感が前に出ます。柔らかなメロディーを追いやすく、声と伴奏がなじむ感覚を楽しめるため、強いダンス曲とは別の入口になります。「HOT」は、愛へ向かう熱を扱いながら、ロックとディスコの要素を取り入れたポップな曲として紹介されています。感情の強さと、踊れる軽快さが同時にある点に注目できます。そして同作の「Come Over」では、少し懐かしい質感の音と声の反復が、肩の力を抜いた誘いかけを生みます。派手な展開を待つというより、同じリズムの中で声の抑揚や伴奏の細部を味わうと、曲の心地よさをつかみやすくなります。このように、代表的な曲を並べる際は、知名度の順番よりも、聴きたい気分で選ぶ方が音楽性の違いを体験できます。滑らかな声を聴きたいとき、ギターの勢いを楽しみたいとき、日常になじむポップを探すときでは、入口となる曲が変わります。その選択肢の広さも、LE SSERAFIMの作品群の特徴です。
LE SSERAFIMのライブ・パフォーマンスで感じられる魅力
LE SSERAFIMのパフォーマンスは、曲に後から動きを付け足すというより、歌詞やリズムを身体で説明する表現として見ると理解しやすくなります。パフォーマンスディレクターのパク・ソヨンは、振付をメンバー自身の物語と結びつけて説明しています。「FEARLESS」の床に横たわる導入や、そろって歩く動きには、前へ進む意思を見せる発想があります。「ANTIFRAGILE」では、カズハのバレエ経験を反映する動きなど、個人の歩みが振付に組み込まれています。これにより、歌詞に書かれた過去や決意が抽象的な言葉だけで終わらず、見る側にも具体的な像として届きます。また、全員が同じ動きをそろえる場面と、一人の個性が前に出る場面の交代にも注目できます。集団としての形と個人の姿が行き来することで、歌い手が切り替わる構成を視覚的にも示しているのです。
作品によって、見せるべき身体の質感も変わります。「EASY」についてカズハは、角度までそろえる精密さに加え、曲全体の雰囲気を出す難しさがあったと語っています。力を抜いて見せる曲では、動きが小さければよいわけではなく、リズムの受け止め方や力を入れる瞬間を調整する必要があります。「CRAZY」では、ポーズや腕の動きなどを特徴とするヴォーギングの要素が、音の反復と結びついています。ポーズを決める瞬間を追うと、声やビートのアクセントが見える形になります。こうした表現を味わうには、ミュージックビデオに加え、公式のダンス練習映像やステージ映像も役立ちます。映像の編集で印象が切り替わる作品と、全身や隊形を長く見られる映像では、気づく点が異なるためです。ライブではさらに、歌う人の受け渡し、立ち位置の移動、客席へ声を向ける場面が一続きになります。音源で聴こえていた短いフレーズが、その場にいる人への呼びかけに変わる瞬間もあります。歌唱、ダンス、表情を別々に採点するより、一つのメッセージとしてどう結びついているかを見ると、ステージでの音楽表現を深く楽しめます。激しく踊る曲と抑えた曲を見比べることも、表現の違いを知る手がかりになります。
LE SSERAFIMの音楽性はどのように変化してきた?
LE SSERAFIMの音楽性の変化は、明るい曲から大人っぽい曲へ移ったという一方向の説明では捉えきれません。2022年の『FEARLESS』は、自分の道を進む姿勢を抑制の利いたサウンドで提示し、同年の『ANTIFRAGILE』は困難を成長へ変える意思を、より熱を帯びたリズムで表しました。2023年の『UNFORGIVEN』では、他者の許可を待たずに進む態度が、異なる音楽要素を組み合わせる作りにも表れます。続く2024年の『EASY』は、その強い姿の裏にある努力や不安へ光を当て、『CRAZY』は夢中になることの解放感へ向かいました。自信を示す段階から、迷いを抱えたまま行動する段階へ、語る感情の範囲が広がったと整理できます。その過程で、低い声で刻む歌唱、軽く流す歌い方、クラブの反復を生かす声など、選べる表現も増えてきました。
2025年の『HOT』では愛に向かう熱が主題となり、『SPAGHETTI』ではj-hopeを迎えた表題曲などを通じ、耳から離れない存在感をユーモアのある食べ物の比喩に置き換えました。そして2026年5月22日発表の2枚目のフルアルバム『‘PUREFLOW’ pt.1』では、恐れを知らないから強いという出発点を見直し、恐れを知るからこそ他者と手を取り合えるという方向へ進んでいます。「CELEBRATION」のダンスサウンドや、「BOOMPALA」における「Macarena」のサンプリングは、新しい主題を音の高揚感へつなげる要素です。さらに2026年9月11日には、2枚目のシングルアルバム『Made My Night』を発表しました。共有する時間や互いの結びつきによって特別になる夜が、作品のテーマとして示されています。2026年10月時点で振り返ると、初期の自己宣言から、弱さの共有、夢中になる喜び、他者との関係へと、歌の視線が広がっています。以前の姿を捨てて別のグループになるというより、同じ人たちが経験を重ね、語れる感情と扱える音を増やしてきた変化として聴くと、作品同士のつながりが見えてきます。
まとめ|LE SSERAFIMならではの音楽性に注目して聴いてみよう
LE SSERAFIMの音楽性は、ジャンルの幅広さと、自分たちの感情を声や身体で伝える姿勢の両方にあります。低音と余白を生かす曲、ラテンのリズムが動きを生む曲、ハウスの反復を楽しむ曲、ギターの勢いを前に出す曲など、作品ごとに音の重心は変化しています。5人の歌声も、音域や声量だけではなく、言葉の切り方、息の混ぜ方、力を抜く程度によって異なる表情を作ります。歌詞には自己決定の強さがある一方、不完全さや不安を認める視点もあり、その両方を聴くことでグループの世界観を捉えやすくなります。制作陣との共同作業やメンバー自身の制作参加、歌詞と結びついた振付も、作品を形にする大切な要素です。初めて聴くなら、気になった表題曲から入り、同じアルバムの収録曲へ進んでみてください。「Impurities」「No Celestial」「Perfect Night」などを聴き比べると、一つの印象では収まらない表現の幅が分かります。さらに音源と公式のステージ映像を見比べれば、耳で覚えたリズムがどのような動きになるかも楽しめます。最新作までたどりながら、好きな音、好きな声、心に残る言葉を手がかりに、自分に合う聴き方を見つけてみましょう。


